2014年12月8日

インターステラー

今話題のSF映画、『インターステラ―』を観てきました。

近い将来に起こるであろう食糧危機の問題と人類の植民をテーマに描いた素晴らしい作品でした。
地学が好きな人はものすごく楽しめると思うし、SFファンタジー、疑似SF(疑似科学)が好きな人にもオススメしたいですね。

ヒューマンドラマとしての側面が強く、スリルがあって、夢と未来を感じました。





※以下、ネタバレを含みます。ご注意ください。





この作品は宇宙の知識があればあるほど楽しめる作品なので、知らないとちょっと理解に苦しむかもしれません。
ブラックホール、事象の地平面、相対性理論、重力場などについては「聞いたことがあるなあ」というレベルよりも、どういうものか把握はしているというぐらいが良いと思います。さすがに他人に解説できるとか、最新論文を読み込んでいるとかいうぐらいまで高度である必要はないでしょう。
しかしさすがに「地球の重力は場所によって違う」ということぐらいは知っておかなければなりません。

それに加えて、食糧危機の問題(農業従事者の減少)、砂漠化、フォトンベルトによるアセンション(次元上昇)などの知識があるとより深く楽しめるでしょう。


それでは内容についての感想を。
まずは家の中で起こる「ポルターガイスト現象」が描かれます。超常現象で非科学的なオカルトチックな話題を持ってきたのが実に良いですね。
宗教(信仰、神話)、幽霊(魂)といったキーワードは、非科学的な側面を持つからこそSFでは多く取り上げられてきました。

いきなりおばあさんのインタビューから始まりますね。
ここの話は終盤に関わってくるので、できればもう一度観たいくらいです。

舞台はある農家から始まります。この一家はコーン(とうもろこし)やオクラを育てているそうです。
なぜ小麦ではなくコーンなのでしょうか?
この作中の環境を見てみましょう。砂嵐が頻繁に発生し、砂塵が家の中に入り込むぐらい砂まみれで、雨がまったく降らない。「『来年こそは』と思いながらその年を終える」というようなことを言っていたので、一滴も降らないんでしょう。
植物の減少により、大気中の酸素が減って窒素が多くなり、人類は窒息死してしまうという説明がありました。
そのことから、雨の降らない環境で育てられ、光合成によって多くの酸素を生み出せるコーンのようなC4型光合成植物が選ばれるのでしょうね。
もちろん詳しくないので推測で調べた限りですが。もともと小麦よりもコーンのほうが年間生産量は多いですし。

この農家ですが、『LOOPER』に出てきた農家になんか似てるなあと思いましたが、見返していないので、そんな気がするというだけです。
トウモロコシとサトウキビは同じイネ科で、ちょっと似てるし(C4型光合成植物で、トウモロコシのことを「トウキビ」と呼ぶ地域もある)。

かつて墜落事故を経験した元パイロットのクーパーは息子トムと娘マーフ、じいさんと4人暮らし。
学校へ面談に呼び出される途中、ドイツ空軍のドローン(無人小型飛行機)を発見して、ゲットする。
ここのシーンで、アメリカもドイツも空軍がいなくなって10年という話を知ります。パソコンと指向性のある電波銃(?)みたいなもので指揮下に置いて、パソコンで操縦していますね。
燃料電池が高性能とのこと。空軍がなくなってもずっと空を飛び続けていたと。

ここで思い出したのは早川書房『ゼロ年代SF傑作選』(2010年)所収の秋山瑞人「おれはミサイル」という作品。
とても面白いのでぜひ読んでみてください。


そして娘のマーフが、ポルターガイスト現象が何かのメッセージであることを読み取るが、それが何を指し示すのかはわからない。
床に本が落ちるのと、降り積もった砂の積もり方がおかしいこと、金属を投げると遠くへ飛ばず床に落ちることから重力異常によるものだとクーパーは気付き、バイナリ(二進数)による空間座標(地図座標)を表していると思い、その場所へ行くことに。

オカルトを論理的に読み解こうとするのがとてもわくわくしましたね。
そしてここでのシーンは終盤とっても大事になってきます。

ここから宇宙へ人類の植民を目的に旅立つストーリーにどう繋がっていくのかまったくわからず、この後どうなるんだろうという期待感で飽きさせない脚本でしたね。

そして家のポルターガイストが示した座標へ行くと、フェンスがあり、金網を破って中へ入ろうとすると見つかってしまい、中へと連行されてしまう。

謎のロボットTARSの登場は衝撃的でした。
まるでモノリスを想像させる直方体の金属製のボディにモニターがあり、コマンドが表示されている。
動き方が実に特徴的で、縦に4分割され、移動することができる。走るときはぐるんぐるん回転する。災害救助もできる。『スター・ウォーズ』のR2-D2などのドロイド以上に特徴的でしたね。

アメリア・ブランド博士という女性からここがNASAであることを知らされ、会議室の横の壁が開くとそこにはロケットが!
発車するときこの会議室吹っ飛ぶんじゃないか? という間取りですが、もしかしたら開いた壁がものすごい耐火構造になっているのかもしれないし、ロケットは発車するときに移動させるのかもしれません。

人類の別惑星への植民計画について知らされます。
普通に考えたら何千光年、何万光年という途方もないほど離れた距離にある有機生命体のいる可能性のある星へ行くことは不可能です。
しかし、土星の近くにワームホールが開いており、そこから別の銀河へ行けるという。
誰が開けたのかと尋ねるクーパーに、アメリア博士は「『彼ら』よ」と。この「彼ら」は、イコール神なのか? それとも宇宙の彼方から来た存在なのか?
ワームホールの先にはすでに3人の科学者が先行して移住可能な惑星をそれぞれ見つけており、これが秘密裡に進められてきた人類の存亡をかけたラザロ計画というプロジェクトの一環であることを知ります。
ラザロとはキリスト教のイエスの友。ヨハネ福音書で死より蘇った。土星は英語でサターンだし、キリスト教との繋がりがありますね。

クーパーの墜落事故は重力異常が原因だったということも知らされ、その重力異常についての数式をアメリア博士の父、ブランド教授は生涯をかけて研究している。クーパーとは知り合いらしい。生死不明だったクーパーのような優秀なパイロットを探していたとのこと。
そして話が決まり、マーフの説得に苦労するわけですが、マーフはポルターガイストのメッセージをモールス信号で読み解き、「STAY(ここにいて)」と父親のクーパーに告げるが、クーパーは「必ず帰る」と約束して宇宙船に乗り込みます。
「親は子供の幽霊となって生きる」と。心の中にいつまでも存在するという意味でしょうが、観終わると違った意味に聞こえてしまいますね。

ロケットによって打ち出されたランダー号は静止衛星軌道上にある宇宙船エンデュアランス号にドッキングし、回転することによって遠心力で擬似重力を生み出しています。
クルーはクーパー、アメリア博士、そしてロミリーとドイルという二人の男性。そしてTARSと、エンデュアランスにすでにいたもう一機のロボット、CASE。
宇宙船はほぼ光速で移動できるとのこと。土星までは二年かかるようです。
コールドスリープするわけですが、「冬眠カプセル」という訳でした。『プロメテウス』よりも描写は軽めですね。カプセルは非透明で白い外観をしており、中は水で満たされていて、袋に入ってコールドスリープするようです。

ワームホールの描写が実に最高でした。光がねじ曲がっていて、時空が歪んでいることが一目でわかります。これは素晴らしい。
ワームホールの説明も軽くではありましたが、単純明快な説明でしたね。
通り抜ける際、「彼ら」との「未知との遭遇」があります。この「彼ら」は誰なのか、終盤で判明します。

ロミリーが閉所恐怖症のような恐怖感を感じており、彼に対してクーパーが雷雨の音をサンプリングした環境音が入った音楽プレイヤーを渡して聴かせるのが印象的でした。

まずはミラー博士の惑星へ赴きます。
ここでわからないのが相対性理論の時間の進み方の説明。ミラー博士の惑星での1時間は、地球時間にするとなんと7年になるという。
超巨大ブラックホール「ガルガンチュア」の近くにあり、かなりギリギリな航路になりました。
この惑星はいずれブラックホールに飲み込まれてしまわないのでしょうか? 超巨大なブラックホールということは、事象の地平面も巨大な直径でしょうから、蒸発するにはめちゃくちゃ膨大な時間がかかりそうです。

ミラー星は水に満たされた惑星。浅い海に覆われています。もっと深い感じがしましたね。ロミリーはエンデュアランスに残り、三人がランダー号で着水。
もしかしたら人類がとても巨大で、この惑星に有機生命体がいるのであれば、それがものすごく小さい生命体である可能性も否定できません。
しかし、超巨大ブラックホールガルガンチュアの潮汐力のせいでしょうか、この浅瀬は単純に「引き潮」の状態であることがわかります。山じゃない、波だ!
ミラー博士はこの巨大な波によって既に死亡してしまっていることがわかります。
相対性理論によって、ミラー博士がこの惑星に辿り着いたのは数時間前だとアメリア博士は言います。ガルガンチュアのせいで、通信の電波の速度も遅くなっていたということでしょうかね(いや、あるいは速くなっていたのか?)。

ミラー博士の遺したデータを回収しようとしますが、間に合わず、おまけにドイルも波に攫われて死んでしまいます。
TARSが助けに転げ出ますが、間に合わなかった……。クーパーは操縦席にいないとアメリア博士、ドイル、TARSが乗ったときにすぐに発進することができませんからね。なんとも悔しいです。

クーパーとアメリア博士の感情を剥き出しにしたやりとりが観ているこちらにも緊迫した状況を感じさせてくれます。
ランダー号は浸水してエンジンがかからない。しかし、次の巨大波がやってくる。すごい迫力でした。

エンデュアランスに帰ると、なんと23年もの時間が経過していました。ウラシマ理論ってやつですね。
地球からのビデオメッセージを再生するシーンがいいですねぇ。クーパーの流す父親の涙には、いろいろな意味が込められていることでしょう。

燃料の問題から、残る二つの惑星のうち、どちらかにしか行けないのでクーパーはブランド博士とロミリーの意見を聞くことに。
アメリア博士はエドマンズ博士の惑星に行くことを希望し、理由も説明しますが、その裏にはエドマンズ博士が自分の恋人であるからエドマンズ博士に会いたいがために行きたいと思っているということが明らかになります。
これ以前にクーパーはTARSに「アメリア博士はエドマンズと恋人なのか?」という質問をするのですが、自分の把握力が悪かったためか、どうしてそれ以前にそう疑問に感じられたのでしょうかわかりませんでした。そんなシーンあったかな?

さて、一行はマン博士の惑星に向かいます。
Frozen Cloud(凍った雲)が空に浮かぶ、一面氷の冷たい惑星です。
設営された基地に辿り着き、マン博士を冬眠カプセルから起こします。ミラー博士の件がありましたから、マン博士も死んでしまっているのでは? と思いましたが、彼はかろうじて生きていました。
そしてマン博士からいろいろこの惑星について説明を受けますが、なんとそのデータがすべてウソ! この惑星には有機生命体はおらず、人類の植民は絶望的であると。
彼らは辿り着いた惑星が移住可能なら通信を送り、そうでなければ帰る手段はないため死ぬしかありません。そのため、通信を送りさえすれば、辿り着いた惑星が移住可能であろうとそうでなかろうと、いつか誰かが助けに来るかもしれない。マン博士はその誘惑に負けたのだと。

マン博士はマット・デイモンです。『エリジウム』では主演を演じた彼を悪役として起用するのはなかなか面白かったです。

たびたび地球でのシーンが挟まってくる構成がすごく良くて、実はこのラザロ計画には何ら意味などないことをマーフは病床に臥したブランド教授から聞かされてしまいます。
それをビデオメッセージで父親に送るわけですが、当然クーパーたちはどういうことかわからない。しかしマン博士はそれを認め、「我々が未来だ」と断言する。地球の人々は見捨てて、持ってきた受精卵でここから人類の歴史がリセットされ再スタートするという意味です。印象的なセリフでとても良いと思いました。「We are the future!」

データを捏造するマン博士の執念も大したものです。誘惑に負けたと言っていますが、助けに来た科学者を納得させるだけの捏造データを用意していたのですからね。エンデュアランスから浄水装置まで届けさせているし。エンデュアランスにはCASEが操縦する別の宇宙船も搭載されていたのですね。

クーパーはラザロ計画の真実を知り、地球に帰ることを希望しますが、マン博士に宇宙船を乗っ取られてしまいます。
ロミリーが残っていた基地は爆破されました。ここからTARSが勢い良く飛び出てくるシーンが、このロボットを愛せる理由の一つとなっています。声は人間の声ですが、その見た目や第一印象から抵抗感を持っていた人も、ロミリーを助け出すことはできなかったとはいえこの姿を見て愛らしく思えたことでしょう。

『ゼロ・グラビティ』を観た人にとってはここからのシーンが非常に胸躍り、手に汗握るシーンだったと思います。
宇宙船を奪ったマン博士は先にエンデュアランスにたどり着きますが、ドッキングが不完全なままエアロックのハッチを開けてしまいます。爆発しましたね。わかりませんが、何が爆発したのでしょうか。
その爆発によってエンデュアランスが高速回転してしまい、クーパーはなんとこの高速回転するエンデュアランスにドッキングするという超人技を炸裂させます。TARS(CASEだったかも)のおかげとはいえ、かなりスゴイ。

そして現在、エンデュアランス号はガルガンチュアに向かっていることがわかる。
TARSになんとかっていう通信機を搭載させて、ガルガンチュアに放り込み、重力の量子データを記録して地球に送信できればブランド教授とマーフが研究中の数式が解けるかもしれないと考え、そうすることに。
今までエンデュアランスは地球からの通信は受信はできたけど送信することはできなかった。三博士はこの銀河から地球に向けてビーコンを送信できていたので、このなんとかっていう通信機はそのビーコンを送信するモジュールだったのでしょうかね。

そしてクーパーたちはガルガンチュアを重力ターン(フライバイ)してエドマンズ博士の惑星に行くことを決意。燃料が残っていないため、地球にはもう戻れません。

この超巨大ブラックホール「ガルガンチュア」はその見た目が東京メトロの前身である営団地下鉄(帝都高速度交通営団)のロゴにそっくりだとネットで話題になっていました。
僕が子供の頃は営団地下鉄有楽町線だったのです。地下鉄成増、地下鉄赤塚駅は、営団成増、営団赤塚駅という呼称でした。東京メトロになる際、営団地下鉄のアイテムが売りに出されたことも話題になりましたね。

ガルガンチュアの中にTARSを乗せたランダー号を送り放ち、そしてCASEを乗せたランダー2号も推進力を得るために切り離す。ランダーは2つあったのかとここで初めて知ることになります。ロボットたちの別れに涙するアメリア博士ですが、前述のロボットの愛らしさを感じるシーンのおかげでロボットとの別れに感情がこもりますね。

ブラックホールの中に人が飲み込まれてしまうとどうなるのか? かつては「ブラックホールに入るとホワイトホールから出てくる」とかいう都市伝説が一時期流行ったものですが、どうやらワームホールのように別の空間に移動できるようです。

そして移動する途中、「彼ら」によってなんと四次元空間に入り込んでしまうクーパー。
その四次元空間は地球、かつて自分が暮らしていた家のマーフの部屋のあらゆる時間が存在しており、山や谷を超えるようにその時間軸を移動できるのです。
このシーンの映像を観て、「アカシックレコード」という言葉をイメージした人は多いかと思います。全宇宙の記録。無数の本棚の裏側から世界を観ているような描写でした。

そして本を押すと、マーフの部屋の本棚の本が落ちる。つまり、かつてマーフの部屋で起きていたポルターガイスト現象は自分が時を超えて引き起こした現象だったのです! イッツ・ア・ミラクル!

「彼ら」は五次元の存在であるという。人間は今、四次元に生きていますよね。三次元の空間を物理的に知覚できる、一つ上の次元にいます。
「彼ら」は四次元を物理的に知覚できるということですが、場所を特定するのは難しいようです。そこで、クーパーをこの四次元空間上に導いて、マーフの部屋を特定したというわけのようです。なぜ「彼ら」はこんなにも親切なのか? とクーパーは疑問に思いますが、その正体に気づきます。
今、「STAY」とモールス信号でマーフの部屋の本棚の本を落としたのは他ならぬクーパー自身です(ここがクーパーの観ている夢ではないとすれば、ですが)。
「彼ら」は何かをさせるためにクーパーをこの四次元空間に導きました。何をさせるためなのか。答えはひとつしかありません。人類を救うためです。ブラックホールの中に送り込まれたTARSは「彼ら」に救出され、重力の量子データを記録しています。しかし、どの波長の通信方法でも地球に向けて通信することはできないようです。

少し考えて、誰がNASAの場所をマーフたちに伝えたのか。他ならぬ今の自分ではないか? クーパーはTARSにNASAの座標データをもらい(どうやってもらったのかは不明ですが、口頭で伝えたのでしょうか)、バイナリでマーフの部屋の本棚の本を落とします。
「彼ら」は自分たちである。つまり、人類がアセンション(次元上昇)した存在であると。『A.I.』のラストシーンを思い浮かべますね。あんな感じなんでしょうか。

時計の針を使って、モールス信号でTARSの記録した重力データを送ると、四次元空間が閉じ、また時空を移動してアメリア博士が「彼ら」と未知との遭遇を行ったところ、つまりワームホール内での時。アメリア博士と未知との遭遇を行っているのは、他ならぬクーパー自身でした。
そしてクーパーは、土星のワームホール近くに移動していました。そんなところに移動してどうなる? アメリア博士はその後どうなった? わからず仕舞いのまま暗転し、見知らぬ病室で目覚めるクーパー。
土星の近くにコロニーが建造され、ここはその病室でした。124歳になったクーパー。すでに80歳になった娘、マーフとの再会。冒頭のインタビューは、彼女だったのですね。

そしてアメリア博士からビーコンが送られてきていることがわかります。別の銀河で、今も助けを待っているアメリア博士のために、クーパーは再び宇宙船に乗り込みます。彼女のいる惑星は、ガルガンチュアを重力ターンして向かうはずだったエドマンズ博士の惑星です。火星のように、赤い土で覆われた惑星のようです。
エドマンズ博士も、やはりすでに死亡していたようです。彼女は生き残れるのでしょうか。居住ベースを設営しているシーンがありましたが、ガルガンチュアを重力ターンしていながらあれだけの物資がよく残っていたものです。きっとTARSを助けたように、未来のアセンションした人類が助けてくれたのでしょう。

先日、NASAが打ち上げたオリオンという、将来火星への有人飛行に向けた宇宙船を開発するための調査を行う無人機の打ち上げが成功したことが話題になっており、非常にタイムリーなニュースでしたね。

そしてアメリア博士のもとへ向かうべく宇宙船にタンデムで乗り込むクーパーとTARSが『スター・ウォーズ』への明らかなオマージュでしたね。ルークとR2-D2かお前らは(笑)
ディズニーになったスターウォーズシリーズは2015年12月にエピソード7「FORCE AWAKEN」を公開予定なので、話題性のあるオマージュです。

ブラックホールの中に飛び込んで時間を超越するということは、つまり重力を使ったタイムトラベルと言えるかもしれません。この重力によるタイムトラベルは最近ではシュタインズ・ゲートで話題になりましたね。
マーフが数式を説いたときに「ユリイカ!」と叫んでいました。ユリイカとはエウレーカと同じ意味で、アルキメデスが浮力の原理を発見したときに叫んだ言葉だとか。ちなみにギリシア語。科学者の儀礼的なものですね。
で、実際この数式がなんだったのかは不明。TARSが記録した重力の量子データもどんなものだったのかはわかりません。この数式が解けたことによって、木星にコロニーを建造できたのでしょうか? 重力の謎を解くためのものであったので、コロニーが円柱状になっており、頭上にも家があることが特徴的に描かれています。しかしエンデュアランス号のように、回転による遠心力によって疑似重力を発生させることは可能なのでは? 円柱状なんだし。と思ってしまいます。
それよりも、コロニーを打ち上げる別プランも現実的ではないというような話になっていたので、何らかの問題あるいは障害が発生していて、それを解決するための何らかの手段を見つけたのでは? とも考えてしまいました。

土星の近くのワームホールはまだ開いているはずです。人類がやがて五次元の存在にアセンションするためには、やはり人類を存続させていかなければならず、アメリア博士が到着したエドマンズ博士の惑星にきっと移住できるはずです。しかしそれはまた別のお話、ということでしょう。


総評として、宇宙工学や物理学に明るくないので専門的なことは言えませんが、とても興奮しましたし、スリルや緊張感のあるシーンもあり、エンターテインメント性の高いとても面白い映画だと感じました。
感情を優先して行動する登場人物たちにも共感できますし、人類の存亡をかけた危機的状況なのにも関わらず家族や恋人を優先しようとするのが実に良いなと。助からないかもしれない、死ぬかもしれないと思ったときには、やはり大切な人と過ごしたい、そばにいたいというどうしようもないエモーショナルな衝動に抗えない「人間臭さ」というものを如実に描き出していると思います。クーパーやアメリア博士だけでなく、誘惑に負けたマン博士もそうですね。
そしてマーフという名前。これはマーフィーの法則がもととなっており、「起こるべきことは起こるべくして起こる」ということ。この作品の根幹のテーマです。自分たちの存在は時間旅行者の介入があって存在している(歴史の改変があれば、改変後の歴史がすでに我々の知る歴史である)という説が個人的に好きなので、このストーリーはとても好きになれました。
2時間50分という大作にも関わらず、二転三転する脚本でまったく飽きが来ず、終盤までずっと楽しく観ることができたのも良かったですね。
娘のマーフ役が三世代にわたって三人いるというのも特徴的ですね。特に少女時代のマッケンジー・フォイさんの演技は高く評価されているようです。
『ゼロ・グラビティ』には正確でない点もいくつかあるようですが、『インターステラ―』の科学考証の正確さも高評価だとか。

それにしても、ものすごい映画を観ましたという衝撃的な圧倒感に打たれましたね。脚本がすごいよ、とにかく。
SFではありませんが『クラウド・アトラス』という映画を観たときにその脚本のすごさに驚きましたが、この作品もたまげましたね。
たまげるは「魂消る」と書きます。そして四次元は時間を司るとしたら、五次元はエネルギー体を司るそう。つまり、精神とか魂とか幽霊とか。次元が違うので、科学では証明することができません。
ポルターガイストの正体はクーパーだった。こういうことを考えていると、姿は見えないけど父親が帰ってきたと喜ぶマーフの気持ちに感情移入してしまいますよね。



『インターステラ―』を観る人、観た人にRADIOHEADの「Airbag」という曲を捧げます。
「In an interstellar burst. I am back to save the universe.」という歌詞が映画のシナリオそのままですからね。




土星のシーンでグスターヴ・ホルストの「土星」流れるか? と思いましたが、それはさすがにあからさま過ぎですかね。こちらもどうぞ。
この画を観ていると、吸い込まれそうになりませんか?



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