2014年10月5日

話題の蚊取りボトルを作ってみました【夏休み自由研究】

数ヶ月ほど前に世界的に話題になった「蚊取りボトル」をご存知でしょうか。

【世界の知恵袋】ペットボトルで簡単にできる「蚊取りボトル」がスゴイ!

蚊といえば嫌われる虫の上位にランクインする昆虫で、数多の病原菌の媒介者として知られています。
「マラリアなどの原生動物病原体、フィラリアなどの線虫病原体、黄熱病、デング熱、脳炎、ウエストナイル熱、チクングニア熱などのウイルス病原体を媒介する。日本を含む東南アジアでは、主にコガタアカイエカが日本脳炎を媒介する」と、Wikipediaにはあります

ここ最近デング熱が流行し、日本でも罹患報告が出始めて危険視されています。
メスが人の血を吸う際に、人体に注入された唾液がアレルギー反応を起こして痒みを発生させることも広く知られていますね。

そこで、この記事を見て自分でもつくりたくなったのでつくってみました。

まさに夏休みの自由研究ですね。もう学生じゃありませんが、探究心は大事かと思います。

しかしながら、7月後半の時点で蚊は数匹しか見かけておりませんでした。蚊ではない変な小さな羽虫がよくいるので、そいつにも効果があるのかどうか実験です。
「つくってみたけど、あんまり効果がないヨ~(ToT)」とか嘆いている人をよく見かけるのですが、日付を見るとまだ5月とか6月……。そんな時分にあなたの周りに蚊が発生しているんですか? という疑問もありました。
しかし、結果を見ればその疑問に答えが出ました。

結論から言うと、ほとんどとれません。
日本の環境では、蚊取りボトルを使うのには適さないようです。


なぜなんでしょうか!? 蚊がペットボトルにびっしりとれるほどの画像があんなにも話題になったのに……。
その理由についても調べたり考えたりしてみました。
詳しい実験内容と考察については以下のとおりです。



★用意するもの



・大きめのペットボトル
・ブラウンシュガー(三温糖):50グラム
・ドライイースト:1グラム
・35℃~40℃ぐらいの水(ぬるま湯):200ml(=200グラム)
・デジタルスケール(秤)
・ハサミ
・カッターナイフ
・マーカーペン
・黒いビニールテープまたはガムテープ
・黒い紙または袋

ペットボトルはお~いお茶の1Lボトルを使ったのですが、2Lの大きいものでもよかったかもしれませんね。
ブラウンシュガー(三温糖)とドライイーストは近所のスーパーで購入。ブラウンシュガー(三温糖)はカップ印の日新製糖、ドライイーストは日清スーパーカメリヤです。Amazonでも買うことができます。
イーストをはかる上ではデジタルスケールが必要かなと思い、タニタのはかりを購入しました。0.1g単位ではかれます。


①ペットボトルを切る



マーカーペンで適当に線を引いて、ペットボトルをカットします。上から大体3分の1ぐらいのところでいいでしょう。カッターで切り込みを入れて、ハサミで切るといいと思います。


③材料を入れる



空のペットボトルを載せた状態でデジタルスケールの電源をオン。「0g」になっていることを確認してから、ぬるま湯(40℃)を200mlを入れ、その中にブラウンシュガー(三温糖)を50グラムとドライイーストを1グラム投入します。
合計値は「251g」になっているはずですが、多少の誤差は気にしなくても大丈夫そうです。

イースト菌が砂糖を醸すので対流が発生すると思うのですが、なんとなく撹拌したほうがいいかも。


④入り口をつける



さきほどカットしておいたペットボトルの口の部分を逆さまにつけましょう。
テープでしっかり固定します。

最初は細いビニールテープでぐるぐる巻きにして固定したのですが、量を使うのでコスパが悪いと気付き、2回目から太くて黒い布テープにしました。ガムテープでもいいかもしれません。


⑤設置してみる



黒いビニール袋を使って、カバーをつけてみました。黒い紙やビニールで周りを覆うとGoodとのことです。それなりの温度を保つためでしょうか。

2個作ったのですが、最初は2個ともベランダに設置しました。
本当は玄関の横に置こうかと思ったのですが、においが結構きついです。
しょっちゅう漂ってくるわけではありませんが、鼻を近づけてにおいを嗅ぐと気持ち悪くなるぐらい甘っ甘な甘ったる~いにおいがするので要注意です。胸がむかむかしてきますね。

必ず外に設置しましょう。
砂糖がイースト菌によって醸され、二酸化炭素を発生させますので、部屋の中にいる人(つまり自分)の吐く二酸化炭素や体温にも呼び寄せられてしまいます。
蚊が入ってくると思われる場所、つまり窓や玄関のドアの外に置くのが良いでしょう。
ゲリラ豪雨対策としては雨の当たらないところに置くか、中身を入れ替えましょう。500グラムのブラウンシュガー(三温糖)だと10回しか使えませんが、1kg買っておけば20回使えます。


★結果は?

結果について。

【第一週目】2014年7月26日~2014年8月4日/設置場所:2階ベランダ
 
1号機(左):虫0匹。
2号機(右):虫2匹(蚊ではない小さい羽虫1匹と、蝿1匹)。

備考:画像では見えにくいのですが、右の2号機には蝿が入っていました。また、見づらいのでペンで1、2と書きました。次週からチェックしやすくなると思います。気になるのは、なにもしていない状態でそれぞれの砂糖水の色が違う点。左の1号機は振って混ぜてみたら、右の2号機と同じような色になりました。ふーむ。イースト菌が死んじゃったのかな?


【第二周目】2014年8月4日~2014年8月12日/設置場所:2階ベランダ
 
1号機(左):虫1匹(羽虫)。
2号機(右):虫0匹。


【第三周目】2014年8月15日~2014年8月20日/設置場所:2階ベランダ
 
1号機(左):虫0匹。
2号機(右):虫0匹。

備考:雨のため8月13日、14日は実験中止。雨が降る前後は蚊が全然いなくなることがわかった。


【第四周目】2014年8月21日~2014年9月6日/設置場所:2階ベランダ
 
1号機(左):虫0匹。
2号機(右):虫2匹(蚊2匹! ついに!)。

備考:あまりに結果が悪いのでやる気を失い、2週間あまり放置。


【第五周目】2014年9月6日~2014年9月12日/設置場所:2階ベランダ
 
1号機(左):虫2匹(小さい羽虫2匹)。
2号機(右):虫2匹(小さい羽虫2匹)。

備考:中身を入れ替える気力がわかず、イースト菌だけ追加してみたところ、効果が復活することが判明。また、2号機に新たに虫が2匹入っていたが、まだ生きていた。


【第六周目】2014年9月12日~2014年9月20日/設置場所1階表庭(1号機)&裏庭(2号機)
 
1号機(左・表庭):虫たくさん。蚊は0匹。
2号機(右・裏庭):虫たくさん。蚊は0匹。

備考:今回から1階の表の庭と裏庭に1台ずつ設置。今までは部屋に蚊が入ってくるのを防止するために2階のベランダに置いていたが、1階の外のほうが蚊がうじゃうじゃいることに注目。1階の扉や窓から入ってくるのを防止するほうがいいかもしれない。あと、9月に入ってからやたら蚊が出てきました。

しかし蚊は1匹たりとも捕れず。2号機になんかでかい虫がいる。コオロギかと思ったが、ジガバチっぽい。カナブンではなさそう。しかし関係ないので捨てる。


【第七周目】2014年9月20日~2014年9月29日/設置場所1階表庭(1号機)&裏庭(2号機)
 
1号機(左・表庭):虫2匹(蚊は0匹)。
2号機(右・裏庭):虫たくさん(蚊は0匹)。

備考:もう答えは出ています。9月終盤に差し掛かってもまだわんさか蚊がいる裏庭。車に乗ろうとしてちょっとドアを開けただけで2匹も入ってきやがった。裏庭の2号機はこんなにたくさん虫が入っていて、しかもまたジガバチが入っていて、それなのに蚊が1匹もおらず、ゲンナリした。

【第八周目】2014年9月29日~2014年10月4日/設置場所1階裏庭(2台とも)
 
1号機(左):虫たくさん(蚊は0匹)。
2号機(右):虫たくさん(蚊は0匹)。

備考:イースト菌だけ追加。10月に入ってもまだ蚊が何匹も飛び交っています。飛び交ってる最中にボトルを置いても、蚊は反応なし。9月29日と10月3日・4日が暑い日だったので、最後のダメ押しに置いてみましたが効果はまるで無し。気温的にもそうですが、ガムテープの裏側にウジ虫が湧いていたので、もうこれ以上は置けないと判断し実験終了。


★感想

感想としましては、こんなにも蚊が捕れないものなのか! とむしろ驚きを禁じ得ない……。
惨憺たる有り様に、むしろ疑問のほうが強く残りました。なぜ、捕れないのだろうか?

以下のサイトでも、結果が出なかったとあります。
蚊取りペットボトルは日本でも効果があるのか?作って試してみた結果 | ライフハック.net

こちらのサイトではコメント欄でいろいろな方が考察を投稿していらっしゃるので読んでみると、

①ドライイーストの醗酵は35℃~40℃とあるので、常にその温度を保たなければ醗酵が進まないのではないか(お湯を最初に入れますが、すぐ冷えてしまう)。
②日本の気候では昼間は猛暑日(最高気温35℃以上)で夜間は熱帯夜(最低気温25℃以上)という日であっても、蚊取りボトルは日陰に置いたりするし、夜は35℃以上なんて日はなかったりするので、適さないのではないか。
③そもそも日本とフィリピンとでは生息する蚊の種類が違うのではないか。
④二酸化炭素が蚊をおびき寄せられるほど周囲に拡散していないのではないか。
⑤蚊の個体数が減ってきている(日本ではそもそも蚊が少なくなってきた)のではないか。


考察コメント②については、タイの東北部でもとれないとコメントされている方もいらっしゃるのと、実験第五周目にイースト菌だけを追加したところ効果が復活したのを考えてみても、本当にそうなのか不明です。タイの東北部は日本よりも赤道に近く、フィリピンと緯度的には近いですが、日本と気候が似ているのかもしれません。あるいは。考察コメント③と同じく、フィリピンに生息している蚊に限って効果があるのかもしれません。

醗酵の度合いの問題で、蚊をおびき寄せられるほどには醗酵が進まなかった(他の虫をおびき寄せられる段階には達したが、その次の段階まで醗酵しなかった)ということがまずは考えられます。

日本でもデング熱ウイルスを媒介する蚊がいるということなので、日本でも蚊取りボトルで蚊を捕れそうなものなのですが、考えられることは、

ⅰ.フィリピンの蚊と日本の蚊とでは種類が違うが、デング熱ウイルスを媒介する個体もいる(フィリピンの個体Aは日本にはいないが、ウイルス自体は人を介して持ち込まれ、日本の個体Bが媒介した可能性。AもBもデング熱ウイルスを媒介し、蚊取りボトルはAにもBにも効果を発揮するが、日本の気候的に難しい説)。
ⅱ.地域(代々木公園)によっては外来種の蚊が存在する(船や飛行機によって海外の蚊や幼生(ボウフラ)、卵が日本に来た可能性。日本に飛来して繁殖したフィリピン個体Aがデング熱ウイルスを媒介していたが、蚊取りボトルはAにしか効果を発揮しない説)。


のどちらかあるいは両方ですね。
ⅰの場合は気候的に蚊取りボトルが効果を発揮しなかったという理由、ⅱの場合は蚊の種類によって効果のある種と効果のない種がいるという理由で、日本ではうまくいかなかったと説明できそうです。

実験第四周目に2匹の蚊を捕らえることができたのですが、その蚊の種とフィリピンの蚊の種が同じなのか違うのかはわかりませんでした。
同じであればたまたま第四周目(8月21日~9月6日)だけ気候的に合致してイースト菌が砂糖をうまく醗酵してくれたと言えそうですが、その可能性は低そうです。
しかし、種類が違ったとしても、考察コメント①と②を踏まえるとそもそも蚊をとることができないという前提になりますので、完全には否定できません。
蚊の種類が違うのであれば、日本で蚊取りボトルを使っても大量の蚊(=外来種の蚊)がとれるとは言えなさそうです。

また、考察コメント④にあるように、ペットボトルの横に小さな穴を開ければ二酸化炭素がより拡散されて蚊をおびき寄せやすくなるというコメントもありましたが、これには同意しかねます。
蚊に悩まされている多くの人がわかっていることとは思いますが、奴らは窓や扉の開け閉めの瞬間のみならず、網戸のすき間や窓とサッシのすき間などといった、ほんの小さなすき間から蚊は部屋に侵入してきます。そのため、穴を開けてしまっては元も子もないのではないでしょうか?
それならば、考察コメント①、②から、気温が低く醗酵が進まずに二酸化炭素の放出量が少なかったと考えるほうが自然です。

結果が振るわなかった理由は上記の環境や種類の違いとは別に、実は逃げられてしまっているのではないかという考えもあります。
蚊ではないのですが、第五周目でまだ生きている虫がペットボトルから外に逃げられるかどうかしばらく観察してみましたが、無理そうでした。
しかし場合によっては、ペットボトルの切り口をしっかりガムテープで塞いだつもりであっても、わずかなテープのすき間や入り口から逃げられてしまっているのではないかという可能性はゼロではありません。
「逆にボウフラが発生した」というコメントもあったので、ペットボトル内に卵を産み付けられ、蚊は逃げているということも十分ありえます。
が、それではなぜあんなに大量の蚊がペットボトル内に捕まえられた画像が公開されているのか説明がつきません。なので、この可能性は捨てます。

最後に考えられる理由として、考察コメント⑤にあるように、蚊の個体数が減ってきているということ。
9月に入った途端、蚊がうじゃうじゃ出てきましたが、確かに8月の真っ盛りは数年前に比べてあんまり蚊がいませんでした。
夜寝ていると耳元を飛んでくることは以前は毎日のようにしょっちゅうありましたが、今年は1回ぐらいしかそういう場面に遭遇しませんでした。


結論としては、
1.日本の気候では、気温的に蚊取りボトル内の醗酵の温度を維持することができない環境であるため、ほとんど効果がない。
2.フィリピンに生息する蚊が日本にも大量にいるとは限らない。


ということでしょうね。
結論1のほうが有力ですが、結論2も否定できないでしょう。
完全に断言することはできませんが、蚊の専門家ではないので、切り分けて原因を調査することは難しそうです。

長々と実験を続けてきましたが、結果がふるわず、非常に残念でした。以上です。


★参考文献(ウェブサイト)

【世界の知恵袋】ペットボトルで簡単にできる「蚊取りボトル」がスゴイ! | TABI LABO - (http://tabi-labo.com/11829/mosquito/)

数万人の命を救った「蚊とりボトル」とは? ペットボトルで簡単に蚊を撃退する方法 – grape -「心」に響く動画メディア - (http://grapee.jp/3834)

ペットボトルで作れる蚊撃退ツール「蚊とりボトル」を始めてみることにしました: おでかけ - ("http://torishin.cocolog-nifty.com/odekake/2014/06/post-1ed7.html)

蚊取りペットボトルは日本でも効果があるのか?作って試してみた結果 | ライフハック.net

カ - Wikipedia - (http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9A%8A)