2012年11月22日

リンカーン/秘密の書

ティム・バートン監督の『リンカーン/秘密の書』を観てきました。2Dです。原題は『LINCOLN:VAMPIRE HUNTER』。
近々スティーブン・スピルバーグ監督でも『リンカーン』をやるそうです。リンカーンブーム来ましたね。

ティム・バートンのほうは若き日のリンカーンに重きが置かれていて、フィクション性が強い作風ですが、一方スティーブン・スピルバーグのほうは壮年のリンカーンを描き、事実性を主題としているようです(『リンカーン』はまだ予告編を観ただけですがね)。

では感想をいきましょう。



※以下、ネタバレを含みます。ご了承ください。


幼き日のエイブラハム・リンカーン。リンカーン大統領といえば奴隷解放。そのため、奴隷に対する厳しい現実から始まります。
が、一変してヴァンパイアが登場し、母親が殺されてしまう。奴隷を働かせていた会社のオーナー的人物ですね。ティム・バートンならではの急展開。このあたりはとても好きです。
数年後、青年となったリンカーンは復讐を誓いますが、結果返り討ちに遭い、その際にたまたま近くを通りかかったヴァンパイアハンター・ヘンリーに助けられますが、ヴァンパイアは逃げる。

このヘンリー、ジョジョ第1部で言うとツェペリです。

彼のもとでヴァンパイアへの戦い方を教わるリンカーン。そうです、リンカーンがジョナサン・ジョースターですね。
ティム・バートンの急展開性はまあいいんですが、このあとがまったくよくわからず別の街へ。なぜ?
リンカーンが法律の勉強をしたいという理由づけも描かれずに部屋探しをするシーンに。将来弁護士になりたいとは後で言うものの、ストーリーが切れ切れなのはいかがなものか。
とある雑貨屋でアルバイトをする代わりに2階の部屋を間借りすることになったリンカーン。この店の店主、名前をスピードといいます。つまり、彼がスピードワゴンです。

役者は揃いました。彼ら3人が力をあわせて、アダムというヴァンパイアのボスを倒すためいろいろやるという話です。
ただ、ツェペリは死なずにスピードワゴンが死ぬんですよね。

幼い日の友人ウィルを助けたり、恋人ができたり、でも夜な夜なヴァンパイアを倒しに行くという対照性。ただの一代記に留まらないところが好印象です。
そしていよいよ復讐を果たすチャンスが来ますが、ここの映像がすごくもあり、またゴミでもある。なんとたくさんの馬の上で戦う、馬上戦闘なのですが、馬に跨るのは最初だけ。馬の上を飛び移ったりします。たぶん全CG。すごいなぁとは思ったけど、いいなとは思わなかったな。
斧の仕込みライフルは見事の一言。予告でも出ていたので、楽しみでした。仕込み武器って好きなんですよ。

復讐を果たし、恋人とも結婚し、大統領にも就任する。このあたり、夜の方の描写が多すぎて昼の方でなにやってんのかよくわかんないんですよね。演説台に立ってもいたけど、選挙活動に近い気がするし、ヘンリーもそう言ってたからなぁ。弁護士への道を諦めて(というか、いったんは弁護士になったのかな? そのあたりの描写も乏しい)、政治家を目指すきっかけってなんだったんだろう。
たぶんおそらくは、リンカーン大統領の生い立ちぐらい誰もが知ってんだろ、だからあえて描かなくたってわかってくれるだろという視聴者任せの脚本だからじゃないかなぁと。この作品はあくまでもフィクションであって、史実(リンカーンの人生も含め)とは異なります。だからこの脚本はいかがなものだろうか。原作小説はどうなんでしょうかね。

大統領に就任したリンカーン氏が、斧を櫃に収め、「これからは斧ではなく、言葉と理念で戦うのだ」と言うシーンはとてもかっこいい。
リンカーン役のベンジャミン・ウォーカーの演技力がすごくて、若いころのリンカーンと50歳になったリンカーンとでもう演技が全然違うの。最初、別人が演じてるのかと思ったぐらいです。
斧繰りで斧を落とすシーンもそうですが、それよりも最後に出かけていく様子がもう歳相応(50~60歳ぐらい)にぴったりはまっている。その演技がなによりの観どころですね。

ストーリーとしては緩急が激しすぎて面白いところとつまらないところのムラが強いかな。大統領就任後、少し中だるみしますが、列車のシーンで盛り返してきます。
スピードが本当は裏切ってなかったというのがいい。敵を欺くにはまず味方から。
この作戦は実に見事だと思いました。おとり作戦。おびき出し作戦。結果スピードは死んでしまいますが、彼はそれも覚悟してスパイのふりをしたんだと思います。
というか、ヘンリーとスピード、そしてウィルが大統領官邸で側近として働いているところにリンカーン氏の人柄が出ていますね。
そしてメアリー夫人も強い。毅然として作戦を遂行し、ヴァンパイアの女を撃ち殺す。息子が死んだときこそ乱れましたが、それは誰しも共感できることです。息子の死を乗り越え、銀を運んだ彼女の描写は、強い女性のあり方の模範的態度を示していますね。

ラストは面白い終わり方をしたよね。まさか現代までヘンリーを除くヴァンパイアは残っていないだろうが、それでもいるのではないかと思わせる終わり方。ファンタジーへの可能性を残した終わり方で、非常に面白いエンディングでした。
エンドロールも流れる血がアメリカの地図を作るという飽きさせない手法。エンドロールで血が流れて行くのもジョジョアニメですね。
評価としてはまあまあかな。面白かったけど、そこまで好きというわけではないかも。いい映画とも言えないけど、エンターテインメント性には優れていますね。
ティム・バートン好きは観て損じゃないと思います。

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