2012年9月29日

ハンガー・ゲーム

28日公開の『ハンガー・ゲーム』を早速観てきました。
予告の段階からすごく楽しみにしていて、全米4週連続1位だったとか。スーザン・コリンズ氏の小説をもとにしています。
Hunger Games……空腹のゲーム……。一体どんなバトル展開が待っているのかとわくわくして、まさにハングリー精神で観にいきましたね。
生存確率1/24の、まさに『バトル・ロワイアル』です。

では感想いきましょう!↓



※以下重大なネタバレを含みます。ご了承ください。


舞台は文明崩壊後のアメリカ……。反乱戦争が終わり、完全に鎮圧されながらも未だかつての炎はくすぶっている……。
ブルジョアジーとプロレタリアート、まさに上部構造と下部構造のマルクス主義全開なのですが、『トータル・リコール』よりも露骨ではなかった。
なぜならそこに「飢え(hunger)」という問題が顕れていたから。

反乱分子たちの住まう地域は12の地域に分割され、被管理社会に置かれているといっても過言ではありません。
殺し合いのゲームに毎年各地域から男女が選抜されるのです。
第12地区に住むカットニスは炭鉱事故で父親を亡くし、母と妹との3人暮らし。当然、満足な暮らしなどできないでしょう。過去の回想シーンでは、雨の降る中、道端で飢えているカットニスが描かれます。
彼女は妹に子守唄を歌います。
市場では物々交換が基本で、その際に店のばあちゃんからお守りをもらいます。それを妹にあげる。選抜されないようにと。

で、貴族がやってきていざ選抜のシーン。「HAPPY HUNGER GAMES!」とのたまう彼女のその言葉がとても不快に感じます。なぜか、まだハンガー・ゲームがどういうものかもわからず、どのような施設で行われるのかもわからず、冒頭では綺麗事を述べているにもかかわらず、不快に感じます。
それは貴族の演技、カメラワーク、マイクの音響、群衆たちの反応が、不快指数を高めるような演出になっているからだと観終わったあとで気づきます。単純に感嘆しました。

で、カットニスの妹が選ばれ、カットニスが代わりに志願します。
ちなみに志願者はカットニスだけではありません。確かルーもそうだったかな。
「貧しい者の志願者は危険だ」とかいうセリフが実にいいですね。今後の展開が見物です。
拇印を押されていますが、あれはなんでしょうね。一種の儀式であり、隠匿を防ぎ、住民らを掌握するためでしょうねぇ。

お守りの効果はなかった。カットニスは妹に「約束する」とまで言ったのに、結果として妹が選ばれた。彼女は姉のカットニスを嘘つきと罵ることもできたのに、それをしない。
迷信など、本当は価値がないことをここの住民たちはおそらくみな知っているのだ。知りながら、それにすがるしかないということもわかっている。姉が自分の身代わりになったことに対して負い目も感じている。そして、姉が殺されてしまうかもしれないということも、わかっている。すべてがない交ぜになった妹プリムの演技に注目です。

列車のシーンでは教育役のヘイミッチが登場します。彼はなかなかナイスなキャラですね。
ピータはまぁ……。あとで言及します。

戦いたくないのに、戦いの場に放り出される。
戦争とはそういうものなのかもしれませんが、これは戦争ではなく、あくまでゲーム(娯楽)。
彼らは娯楽の道具にされているのだ。この辺りも単純なマルクス主義を当てはめる作品とは異なる点ですが、マルクス主義であることに変わりはありません。

都市の描写が、どこかTVゲームっぽい。強いて言えば、FFっぽい。
第1地区~第12地区ではそれぞれ第一次産業の特色があるようで、第12地区は鉱業。古代ローマっぽい衣装の地区(ケイトーの地区か)があったけど、あそこはなんだろう。鍛冶かなぁ。でも鍛冶は第二産業だよね。まあ、貴族たちのモノを作っているのだから、そこまで含まれるか。

ゲームに際して、ある一定の期間での訓練がある。しかも必修科目がある。第74回目。実に制度化されてしまった殺し合いの娯楽なのだ。
思ってもみなかった展開に驚き、面白いと感じました。設定はとてもしっかりしている。内容は凄惨だが。
衣装担当のシナもいい奴だ。最初、カットニスはやっぱり彼を疑うんですよ。この男を信頼していいものか、と。
でも、ゲーム開始直前ではお守りをこっそり着けてくれたり、俺はお前に賭けると言ったり、チューブに入るカットニスに無言でエールを送ったり(殺し合いの直前に余計な言葉は不要だ)、やはり信頼できる奴でしたね。

賭けの対象にされ、身体能力や訓練の成果で得点を付けられ、スポンサーが金を出す。
このスポンサーを得るというのがよくわからない。
最初は、ゲームが始まったときに支給される物資の良し悪しに相当するものだと思っていた。が、違ったようだ。

ゲームが始まると物資は中央に無造作に置かれており、早い者勝ちでいくらでも奪えるのだ。
ヘイミッチがそうしたアドバイスをしたのも実に納得できる。
現にカットニスがゲットしたリュックの中に入っていたものと言えば、ロープ、水筒、マッチなどである。無くてもサバイバル術に長けていれば困ることはない。森の中では、いくらでも応用の効くものが手に入るからだ。

スポンサーはきっと、ホテルや食事やその他こまごまとした生活のために金を出すのだろう。だが、それで得られる見返りは? 24人中1人しか勝てないゲームではリスクが高すぎるのではないか?
巷で行われている賭けからバックされるのだろうか。勝者には政府の温情とうんたらかんたらという「優勝賞品」がとうとうと語られていたが、それもわからずじまいだ。

さて、バトルそのものとしては、少々退屈かもしれません。まあ当たり前だよね。
主人公は女性で、狩りこそすれど自ら望んだ戦いではない。隠れ、様子を窺い、なるべく生死を分ける事態に直面したくないと思う。
誰れだってそうだし、俺だってそうだ。

なので、『バトル・ロワイアル』よりかは全然悲惨ではないでしょう。
そのため、もっとサバイバル術に重点を置いてほしかった。
例えば、ねぐらにする場所はどこがいいとか(カットニスは木の上で眠ります)、どんな植物が食べられて、どんな生き物が生息しているのかとか、どんな罠をどれぐらいの間隔で張り、どんなタイプのものが効率的かとか、などなど。
そういったサバイバル術に関しては火の熾し方や終盤に登場する毒の実ぐらいで、全然描かれないのが残念極まりないですね。
虫を食べるのもサバイバルにはかかせないことです。

他のプレイヤーたちがチームを組んでカットニスを襲ってきますが、ルーと協力して追い払う。
でもルーは死んでしまいます。カットニスが相手の槍を避けたせいで。
そのことに対する「ごめんなさい」でもあり、ルーを守れなかったこと、ひいてはルーの地区の相方や、地区の住民たちに対しての謝罪でしょう。
ハンドサインがあります。指三本を立てる。反乱地区が、かつての自分たちの戦いとプライド、そして絆や家族や故郷を忘れぬようにするため。命は奪うことはできても、魂までは奪うことはできないのだと示すために(なんかのセリフですね)。

一応近未来の世界なので、SFチックな展開も入ります。この舞台は仮想現実なのかもしれません。
そうだとしたらどうですか? 死は死でなくなり、まさに「ゲーム」となります。
でもチューブを昇っていったから現実空間なのかなー。それにしてはプログラミングで山火事をおこしたり、樹木を倒壊させたり、凶暴な架空の生物を出現させていますよね。
ホログラムではない。その獣に殺されているのだから。どういう技術でそれがなされているのかの説明もなし。巨大なサーバーを埋め込んでヒッグス粒子がどうのこうの……(限界)

さて、一度変更されたルール、同じ地区の2人が残ればその2人を勝者とするということはヘイミッチの入れ知恵からきていますね。でもその変更を撤回。カットニスとピータのとった行動が良いですね。
政府に物申す! こんなゲームはお開きにする。このゲームそのものこそ撤回させてやるという展開になるのは必然でしょうね。
政府の高官たちはかんかんだという。でも政府の内面事情は、大統領がすごい嫌味なキャラということだけしかわかっておらず、いまいちピンとこない。どういう怒りだろう? とずっと考えていましたが、答えは出ず。単に面目丸つぶれってだけではないと思うのですが。
このゲームの裏に隠された真の目的みたいなものがあるような気がしてなりません。冒頭の綺麗事は、あくまで綺麗事、建前に過ぎません。
反乱戦争の代償なら賠償金なり奴隷なり経済制裁なりなんでもいい、殺し合いをさせる必要などどこにもないのですから。

これはいわば壮大な寝取られ物語でしたね。ゲイルにとっては、自分の彼女がピータとかいうどこの馬の骨ともしれない奴と手をつなぎ、キスばかりか同衾しているのですから!

そして、大統領が顕にできない怒りを抱えて故郷の第12地区に帰るカットニスとピータをモニター越しに観て終了。

エンドクレジットが始まる。
もうちょっと政府の内面が描かれると、うまく敵づくりができてよかったのになー……などと思いながら、
観ていると、


「ハンガー・ゲーム2日本公開決定」


( ゚д゚)

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゚д゚)

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゚ Д゚)!?


続く To be continued...

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